ソフトバンク3連覇の道はロッテ戦の試合中に途切れた。8回裏1死。3番手森がロッテ中村に2球目を投じた直後。右翼にあるスコアボードが、西武-日本ハム戦の試合終了を知らせた。その瞬間、ナインは右翼方向に視線を送った。悲しいニュースを見つめ、一様に立ち尽くした。

 82度目となる勝利のハイタッチも、どこか寂しげだった。「選手はよくやってくれた。悔しい結果になったが、この悔しさをCSで晴らせるように、がんばりたい」。感情を押し殺し、工藤監督は静かに言葉を並べた。

 シーズン序盤から歴史的な快進撃を見せ、史上初の6月マジック点灯の可能性さえあった。後半戦は28勝29敗で、最大11・5ゲーム差あった日本ハムに大逆転を許した。選手のコンディション維持を重要視してきた工藤監督が、故障禍に悩まされた。骨折の柳田やバンデンハーク、和田ら主力の戦線離脱が相次いだ。主将の内川も満身創痍(そうい)。「故障者がいないチームはない。いる中でも、しっかりやらないといけない」と指揮官は言い訳にしなかった。

 日本ハムには9勝15敗1分けと負け越した。「選手たちは油断したわけではない。一生懸命やってくれた。悪くなった雰囲気をどう良くしていくか考えたつもりだったが、気持ちも調子もうまく取り戻せてやれなかった」。工藤監督はかじ取りを反省した。まだ3年連続日本一の可能性は残されている。試合後のミーティングで、悔しさとCSに向けた思いを選手に伝えた。【田口真一郎】