最後まで楽天一筋を貫いた。国内最後の楽天創設メンバーである牧田明久外野手(34)が現役を引退することが14日、分かった。10月23日に球団から来季の構想外を伝えられ、熟慮の末に決断を下した。10月末には「まだ体は動くが、最後まで楽天の牧田で終わりたいという気持ちがある。僕はこの球団が好きだし、家族も仙台の街を気に入っている。他のチームでプレーすることは考えにくい」と話していた。

 楽天最後の近鉄戦士がバットを置く。福井の鯖江高から00年ドラフト5位で近鉄入りし、04年秋の分配ドラフトで楽天へ入団。翌05年7月に1軍初出場を果たすと、強肩強打の外野手として長きにわたりチームを支えてきた。13年の日本シリーズ第7戦では2点リードの4回、巨人沢村から試合を決めるソロ本塁打。球団初の日本一に大きく貢献した。15年は規定打席未到達も、82試合で打率3割1分1厘。今季は若手の台頭などで16試合出場にとどまったが、打率3割5分5厘の結果を残していた。プロ16年間の通算は691試合で打率2割5分3厘、23本塁打、150打点だった。

 穏やかな性格の奥で、ひそかに今季を勝負の1年と位置づけ臨んでいた。2月の久米島キャンプでは「今年ダメだったら、もう後がないという気持ちで来ています」と決意を固め、若手に交じり猛練習を重ねた。

 楽天は功労者に対し、何らかの形で球団に残る道を検討する見込み。16年間の選手生活に区切りをつけ、次のフィールドへと進む。