今年のオリックスはひと味違う!? 開幕3連敗から4連勝と盛り返し、3年ぶりの貯金生活だ。好調打線が日本ハム開幕投手の有原を序盤で攻略。4番ロメロが4戦連発の2ランを放つなど、ともに今季最多の12安打&8得点で大勝した。宮内オーナーに何度も酷評された昨年の最下位チームが変身し、パ・リーグの台風の目になりそうな勢いだ。

 福良監督の用兵が1回から的中した。「真っすぐに強いから」と1年ぶり1番に据えた宮崎が、有原の初球の低め直球を左越え二塁打。これがヒットパレードの合図で4回までに6得点。試合の大勢を決め、昨年の日本一チームを圧倒した。楽天に開幕3連敗を喫した京セラドーム大阪で、痛快な今季初勝利を挙げた。

 「いいゲーム。先制、中押し、ダメ押しといい攻撃ができた。みんな、つなぐ意識があったからね」。監督2年目で初の貯金1。球団では2位だった14年最終戦以来914日ぶりのことだ。近年の低迷で、開幕前は宮内オーナーに「勝ちを忘れたバファローズ」と自虐的なゲキを飛ばされたチームが白星を重ねている。

 4番ロメロは4打点の大暴れ。1回に先制打を放ち、8回は4戦連発の4号2ラン。初球カーブを引きつけて左中間席へ運んだ。「状況と展開を考えて本塁打を狙った。3試合連続は何度かあるが、4試合は記憶にない。言葉にできないよ」。前日7日は腰の張りを抱えながら本塁打。その後に途中交代したが、この日も志願して指名打者で打席に立った。4本塁打、11打点ともリーグ最多だ。

 福良監督が「研究熱心ですから」とたたえる大砲は真面目な性格がにじみ出る。毎日1つの日本語習得が日課。この試合前に腰の治療を受けている時、球団幹部から英語で「腰は大丈夫?」と聞かれ、日本語でこう答えた。「ダイジョウブ。ボクのニホンゴ、ダイジョウブですか?」。先発コークが来日1勝。Bクラスの過去2年は助っ人の不振に泣いたが、2人は投打の柱になりそうな雰囲気だ。

 3年ぶり貯金を聞かれた福良監督は「貯金したことがないから分かんないですね」と苦笑い。開幕前には長男一至さん(26)がGKとして所属するフットサル大阪が、初めてFリーグの年間王者に輝いた。「全然試合に出てないけどね。俺も頑張らんといかんなあ」と腕まくり。“父子V”は気が早すぎるにしても、この勢いを一過性にするつもりはない。【大池和幸】

 ▼オリックスが4勝3敗で貯金1とし、14年終了時の18以来3季ぶりの貯金。過去2年のオリックスは15年に4連敗、16年に2連敗でスタートし、シーズン中に1度も借金を返済できなかった。2季以上貯金なしが続いたのは、08~10年の横浜以来で、球団では02~03年以来2度目。過去最も「貯金なし」の期間が長かったのは56年5月6日~63年6月8日までの近鉄で、7年以上も貯金がなかった。

 ▼オリックス新外国人のロメロが4日西武戦から4試合連続本塁打。日本人選手を含めてもプロ1号からの4試合連続本塁打は、87年ランス(広島)が4月14日中日戦~同17日巨人戦まで1→1→1→2本と放って以来、プロ野球2人目。