1軍で活躍できる選手を送り込むのが仕事だ。現役時代に苦労した平石監督だからこそ、選手にかけられる言葉がある。

 平石監督 自分はこの世界で芽が出なかった側の人間。少ないチャンスで結果を残さないといけなかった。だからといって「打てへんな」「また2軍かな」って思ってしまってもあかん。そんなことを気にしてやってても駄目なんです。

 プロで生きていくには、重圧の中で結果を出し続けるしかない。平石監督はメンタル面の重要性を説く。

 平石監督 2軍でやってきたことをまず、勇気を持って1軍でやるしかない。1軍に上がりました、はい、よそ行きの野球やります、そんなアホみたいなことないでしょ。結果は自分1人で変えられない。だからまず、やってきたことに自信を持って、勇気を持って思いっきり出してほしい。結果ばっかりを追い求めたら、絶対に縮こまってしまう。そんな状況で1軍定着はなかなか難しい。いい意味で、1軍で開き直れるかどうか。そこに気付いたのは、選手を辞める直前ぐらいだった。

 1年でも長く現役を続けて欲しいからこその言葉だった。

 平石監督 自分と同じような経験をする選手がほとんど。結果を欲しがり過ぎて小さくなってしまい、自分を見失ってしまうとか。それが続くとチャンスすらなくなってしまうけど、そこから学ぶものもあると思う。悔いは残ると思うけど、その悔いを減らして欲しい。それを乗り越えて、1軍で結果を残してくれると、うれしいですね。

 ◆平石洋介(ひらいし・ようすけ)1980年(昭55)4月23日、大分県生まれ。PL学園では3年時に主将を務め、松坂大輔(現ソフトバンク)擁する横浜と延長17回の死闘を繰り広げた。同志社大へ進学し、03年にトヨタ自動車入社。04年ドラフト7巡目指名され楽天入りし、11年に現役引退した。通算で122試合に出場し37安打、打率2割1分5厘。12年から育成コーチ(野手担当)、2軍外野守備走塁コーチなどを歴任し、15年10月から2軍監督に就任。175センチ、75キロ。左投げ左打ち。