転機のトレードに周囲は覚醒を祈っていた。父幹裕さん(58)は「とにかくノビノビとプレーしてほしい」と願った。昨季までドラフト1位で入団した巨人で、期待されながら伸び悩んだ。大田はその理由を「プレッシャーとの闘いもあった」と振り返る。劇的な一打も、今までなら打てなかったかもしれない。「代打も出されず、以前との違いも感じたし、自信も付く」。たくましく、生まれ変わりつつあった。
栗山監督には高校時代から注目されてきた。試合後は「もっともっと成績が残るバッターだと思っている」と、あえて注文を付けられた。期待度は極めて高い。大田にも、覚悟がある。「結果を出してファイターズの一員になるのもそう、気持ちも全部ささげるつもりでやっている。チャンスをくれたファイターズとジャイアンツに感謝しないといけない」と野球人生をかける。チームを最下位から脱出させた。上位浮上へ、挫折を知る男の強さが、カギになる。【木下大輔】




