専大が中大に連敗し、0勝10敗1分けで未勝利のまま今季全日程を終えた。主将の和田裕生内野手(4年=福岡大大濠)の3号ソロなど、相手を上回る16安打も及ばなかった。6月の全日本大学選手権後に予定される入れ替え戦で、2部優勝の立正大と対戦する。中大は連勝で勝ち点3とし、2位の可能性を残した。

 戦国東都最多の優勝32回を誇る古豪・専大が、まさかの0勝で春を終えた。3点を先行するも逆転負け。国学院大1回戦で引き分けたため全敗こそ逃れたが、シーズン未勝利は同大史上初。リーグでも98年秋の立正大(10敗2分け)以来となった。しかし、2季連続の勝ち点ゼロにも暗さはない。斎藤正直監督(57)は「漆黒の闇から、少しは夜明け前のブルーの感じになってきた」と敗戦の中に光明を見いだした。

 7回2死で3号ソロを放った3安打の和田を筆頭に、今季最多16安打をマーク。好投手に振り負けないよう、重さ1キロのマスコットバットを素手で振る打撃練習の成果が出てきた。7回途中から無失点リリーフしたプロ注目サブマリン、高橋礼投手(4年=専大松戸)ら、計算できる投手も3人いる。状態は上向きだ。

 入れ替え戦で対戦する立正大は2部リーグ8連勝中。和田は「やってやろう。1カ月後に今より強い専修大学で戦いたい」。1部の意地ではね返す。照準を切り替えた。【鎌田良美】