いざ出陣-。全日本大学野球選手権(神宮ほか)が5日から開幕する。東北勢は仙台6大学から東北福祉大(2年連続32度目)、北東北大学から富士大(岩手、5年連続12度目)、南東北大学から石巻専修大(宮城、8年ぶり4度目)の3校が出場する。全国で大活躍が必至の、リーグを代表する3選手にスポットライトを当てる。

 富士大の「暴れん坊」見参! 「5番三塁」でリーグ7連覇に導いた佐藤龍世内野手(3年=北海)の思い切りのいい打撃から目が離せない。今春は10試合で36打数18安打で打率5割、10打点と打ちまくり、本塁打も3本かっとばした。首位打者賞と最多本塁打賞、ベストナインの3冠に輝き「自信になる。打率は意識してやってきた。やるべきことをやってつかんだ結果」と自信に満ちている。

 勝負の入学3年目だった。チームが掲げた7連覇、自身の夢のプロ入りに向け「ただ野球だけやっていればいい学年じゃない」と、食生活から見直した。冬場に筋力トレーニングで鍛えた85キロの体を、今春から炭水化物を絶って81キロまで減量。体脂肪をそぎ落とし、タンパク質を多めに摂取して体を一から作り直し「体のキレが出てきた。今までにないぐらい自立して野球に取り組めた」と手応えをつかんで臨んだシーズンだった。

 1年秋を除く4度目の全国大会出場に闘志を燃やした。過去出場した3大会でつかんだ勝利は、昨年に挙げた1勝のみ。「全国はただ出る場所じゃない。勝ちに行く場所」。佐藤のフルスイングが、富士大に勝利をもたらす。【高橋洋平】

 ◆佐藤龍世(さとう・りゅうせい)1997年(平9)1月15日、北海道・厚岸町生まれ。真龍小2年で野球を始め、真龍中では釧路シニアに所属。北海では甲子園出場なし。富士大では1年春からベンチ入り。173センチ、81キロ。右投げ右打ち。