4番が打てば勝つ。DeNAが4本のホームラン攻勢で楽天に快勝した。1回、筒香嘉智外野手(25)が5月23日の中日戦以来となる5号2ラン。初球を仕留めた一振りが導火線となり、3番ロペス、5番宮崎にも本塁打が出て今季初めてクリーンアップがそろい踏みした。強打のイーグルスに強打を見せつけ、同カードの連敗を7で止めた。

 本塁後ろにたたえる最上川から、残雪の月山に風がそよいだ。心地よいたそがれのフォローに乗せて、筒香が高々と打った。照明がともりきらない午後5時開始の1回1死一塁。「初球から、いっていい展開だった」。内寄りに浮いた直球に反応した。

 雄大な風景になじませ、素直に振った。強引さはなくとも、左腕の押しが利いていた。右翼席の背後にそびえ立つ8本のポプラ並木。一番左に向かって進み、芝生席と場外の境目に落ちた。「あの1打席だけでしたけど。ホームラン、良かったです」。2週間ぶりの感触をかみしめた。

 3日ソフトバンク戦の第3打席まで、33打席ヒットが出なかった。フリー打撃を終えると室内練習場に直行。日本の4番は動じず、ただ丁寧に打開の道を探っていた。象徴的な練習は4日の試合前だった。