2カ所の打撃ケージで、左右の投手に32スイングした。庭の横浜スタジアムで柵越え0本。フェンスにも2球しか届かなかった。ファウルを含め、逆方向の左翼側には16本。見逃しが8球もあった。ボールをしっかり見極め、スイングの軌道とミートポイントとの関係を丹念に確認し「一時期と比べたら良くなっている」の確かな手ごたえを持っていた。

 開放的な山形の雰囲気にも揺れず、この試合前も柵越えは最後のスイング1本。感覚を定め、強さを重ね、結果につなげた。静かに「チームが勝つことが一番。クリーンアップがそろって」と言った筒香と対照的に、ラミレス監督は少し高揚していた。「非常に大きい。追い込まれてからのホームランと初球のホームランは、私の見立ては違う。いい方向に向かっている証し」。パを代表する強打自慢に、自慢の中軸を見せつけた。【宮下敬至】

 ▼DeNAの1試合4本塁打は今季最多。これまでは4月22日中日戦と30日広島戦の3本が最多だった。クリーンアップトリオがそろって1発は今季チーム初。1発攻勢で14年4回戦から続いていた楽天戦の連敗を7で止めた。