金本阪神が今季53試合目にして、外野陣の大シャッフルを敢行した。開幕から固定してきた「左翼高山、中堅糸井、右翼福留」の布陣を大幅に変更。今季初めて「左翼福留、中堅高山、右翼糸井」でオリックス戦に臨んだ。

 金本監督は「ちょっと勇気がいったけれどね。ちょっと最近(シャッフルを)思っていて(この日から)ドームで6試合で。風がまったくない球場で、まずは慣れていこうと」と説明。一時的な作戦ではなく、今後のシーズンも見すえた戦略の要素が大きいとみられる。中村外野守備走塁コーチも「僕の独断ではなく、みんなの意見で決めました。よほどのことがない限り、(このまま)行くんじゃないですかね」と話した。

 首脳陣は3人の守備力が一番発揮できる並びを模索した。糸井はオリックス時代に右翼が主戦場。春季キャンプ前には右膝を負傷しており、中堅から右翼に移れば患部の負担を減らせる。高山は左翼でのミスが目立っているが、明大時代の中堅に戻れば安定感は増すだろう。福留の左翼は日本では03年10月9日ヤクルト戦(神宮)以来とブランクがあるが、持ち前の守備センスがある。

 指揮官は「糸井も慣れたポジションで、高山も、もともとセンターに慣れている。孝介は甲子園の浜風はキツいかもしれないけど、最初は慣れないかなと思うけど、そこは孝介のセンスに任せようというか」と説明。この日は3人とも無難に守備をこなした。今後はこの布陣が軸となる可能性もありそうだ。

 ▼福留が左翼守備についたのは、国内では中日時代の03年10月9日ヤクルト戦(神宮)に4番・左翼で先発して以来、14年ぶり38試合目。なおメジャーでは、ホワイトソックス時代の12年に10試合ある。