広島サビエル・バティスタ内野手(25)が、豪快な1試合2発で4連勝に導いた。2回は斎藤の低めフォークを左翼席上段に突き刺す逆転2ラン。5回には追い込まれながら2番手エスコバーの低め変化球を再び左翼席中段に運び、試合を決めた。4回の二塁打を含め、初の猛打賞はすべて長打。「(本塁打は)狙っていない。コンパクトスイングでライナーを打つことを心掛けている」。初打席初本塁打から4戦4発と、勢いが止まらない。

 勤勉さが快進撃の理由だ。打席では「ハチャ」と言い聞かせる。スペイン語で「おの」を意味し、2軍で「バットを使うイメージはハチャ」と言われ続けた。来日当初からローボールヒッター。ただアッパースイングが目立ち、低めからボールになる変化球にもバットは回り「扇風機」と化していた。そのため昨季は朝山2軍打撃コーチから「ストライクゾーンでも低めは見逃していい。高めは首付近まで振っても構わない」と意識改革された。試合後の特打にも参加し胸付近の高さの球を打ち続けたことで、バット軌道も変わった。

 前夜はナイター後にキューバ料理店に足を運ぶも、試合に備え午前0時前には宿舎に帰った。真面目な性格は1軍に上がっても変わらない。緒方監督も「すごいね、びっくりした。ベンチから軌道が見えたけど、とんでもない打球を打っていた」と目を丸くする働きだ。今季交流戦の「神ってる」バティスタのバットで、チームも阪神と2ゲーム差に広げた。【前原淳】