超人ギータが有言実行の“予告弾”だ。ソフトバンク柳田悠岐外野手(28)が、特大145メートルの先制3ランを含む2本塁打、4打点の活躍で、ヤクルトに快勝した。前日6日のサヨナラ内野安打に「明日は飛ばします!」と、お立ち台で宣言した通りのアーチを連発。自身の連続試合安打も「19」に伸ばし、チームは5カード連続勝ち越しを決めた。

 一塁側ベンチ横の球団室から見守った世界のホームランキング・王会長でさえ、目を疑った。「あそこまで飛ぶヤツはいないだろ。完ぺきだったね」。3回だ。柳田のバットが均衡を破った。2死一、二塁。石川の初球。高めに甘く入ったスライダー。豪快に振り抜くと大きな放物線を描いて右翼席最上段に飛び込んだ。着弾は「145M」と表示された真横。文字通り、強烈すぎるロングドライブを教えてくれた。

 「昨日と違ってすごい飛んでくれたんで最高です。しっかり間が取れて自分のスイングができた」。満面の笑みで柳田はお立ち台に上がった。ほぼ24時間前。同じお立ち台は赤面だった。延長10回にサヨナラ打を放った。が、打球はどん詰まりの内野安打。2死三塁から三塁線へボテボテのゴロ。推定飛距離は10メートルの、うれし恥ずかしの殊勲打だった。「めちゃくちゃダサイ打球。明日は打球飛ばします」。照れ隠し? に大見えを切り、有言実行した。8回にも左中間テラス席へ13号ソロ。全4打点を1人で挙げ、2戦連続のV打だ。「2本目はちょっと詰まったけど、しっかり力は伝わっていたので飛んでくれました」。納得の2発に笑みがはじけた。

 6月に入ってバットは上昇カーブを描く。1日の中日戦(ヤフオクドーム)から6試合で5発と本数も伸ばしてきた。チームは5カード連続で勝ち越し。「あんまり期待されないように…。あっ、でも給料もらっていますからね」。景気いい軽口が飛び出すと、さらに柳田はタフマンになる。【佐竹英治】