勝ち越しじゃ~! 広島が誇るビッグレッドマシンガン打線が、「日本生命セ・パ交流戦」の日本ハム戦で15安打8得点の猛攻。ド派手な主役はバティスタも、鈴木誠也外野手(22)が4番の仕事を果たして打線をつなげた。4連敗した日本シリーズの悪夢など、はるかかなたへ。カード勝ち越しを決め、4連勝で貯金は最多の14。2位阪神が敗れたため、ゲーム差を2に広げた。

 笑顔なきベース上で、鈴木はヘルメットを軽くさわるだけだった。打つ喜びより、打てない悔しさが勝つ。広島が誇る4番鈴木が、バットに意地を込めた。3回1死一、二塁からツーシームを中前にしぶとく落とした。2回の鮮烈な「バティ弾」の後、試合の流れを決定づける適時打だった。

 「追加点につながるヒットになってよかったです。調子うんぬんは言ってられない。打点がつく場面で打てるようにしていかないといけないです」

 試合後も笑うことはなかった。1回は2死一塁で空振り三振を喫し、うつむいてベンチへ戻った。前日6日の同カードでは、いずれも走者を置いた場面で凡退。3番丸が好調で、上位打線がチャンスメークして鈴木に回ってくる。底知れない勝負強さを持っているが、簡単に打たせてはくれない。それが4番という打順だろう。

 それでも打点を挙げ続けなければ、チームは前進しない。それもまた4番だ。「最低限の仕事です」と振り返ったのは4回の犠飛。1死二、三塁から日本ハムエスコバーの直球を右翼へ打ち上げた。攻守交代後の「誠也コール」には遠慮がちに軽く頭を下げただけ。6回、9回にも安打を放って3安打としても、やはり控えめだった。

 若くから低迷期の4番を務めた新井はかつて「エースと4番は責任を負う仕事」と言った。務めた男にしか分からない重圧と、ストレス。鈴木は真の4番を目指して、止まることなく歩み続けている。そんな若武者に引っ張られるように打線もつながり、15安打で8得点。カード勝ち越しを決めた。チームは4連勝で貯金も今季最多の14まで伸ばし、2位阪神が敗れたためゲーム差は2だ。最高の笑顔を目指し、鈴木は今日もバットを振る。【池本泰尚】