歯止めが利かない。巨人が大敗し、13連敗。坂本勇人内野手(28)を4シーズンぶりに先発2番で起用する攻撃的オーダーで挑んだが、プロ2戦目の先発となったルーキー池田駿投手(24)が2回1/3を7失点でKOと投手陣が崩壊した。前日に12連敗で球団史上ワースト記録を更新したばかりだが、連敗記録は伸びる一方だ。

 巨人が負の歴史をまたもや更新してしまった。2-13の大敗で、球団の連敗記録は13に伸びてしまった。現実として受け止めるには厳しすぎる数字を、この日も突きつけられた。高橋監督は「みんな何とかしようとしているんだけど、なかなかね。結果がすべての世界だから」と好転しない状況を受け止めた。

 暗雲を振り払うべく、指揮官は手を打って臨んだ。「何とか主力を前に置くことで流れが変わるように」と、坂本勇を13年9月15日広島戦以来となる2番に起用。左太もも痛を抱える村田を2試合ぶりに5番でスタメン復帰させ、1番陽岱鋼からの攻撃的オーダーを形成。先制されれば15連敗中だっただけに、先手必勝を狙うオーダーで打開を図った。

 新打線が機能する前に、投手陣が崩壊した。プロ2度目の先発となった池田は初回2死から秋山、浅村、栗山の3連打で先制点を献上。3回には1死一、二塁から源田と秋山に重盗を決められた。その後の1死満塁ではメヒアの三塁線へのボテボテのゴロが適時内野安打になるなど、運にも見放された。直後に外崎の満塁弾などで万事休す。2回1/3で7安打7失点でKOされ、勝負は決した。

 2番手の江柄子も2回2/3で5失点し、あっという間に12点差。6回無死から坂本勇、マギー、阿部の3連打などで2点を返したが、反撃ムードもかすんだ。繰り返される、投打がかみ合わない負けパターン。高橋監督も「いつもこういう状況になってしまう」と話すしかなかった。

 閉塞(へいそく)感を打破しようと、選手ももがいていた。6回の攻撃前、一塁側ベンチ前に円陣ができた。自主的に生まれた輪の中心にいたのは、主将の坂本勇。「応援してくれている方がいる。やることをやっていこう」と呼びかけた。「負けていてもファンは応援してくれている。申し訳ないです。結果が出ないと苦しいけど、選手全員が分かっている。また頑張らないといけない」と巨人の総意を代弁した。苦境を脱するのは簡単ではない。それでも信じて戦うだけだ。【浜本卓也】