ソフトバンクが今季最多20安打、最多タイの15得点での大勝だ。先発全員安打は今季6度目。今季5度目となるカード3連勝を飾った打線に号令をかけたのは、3試合連続決勝打の柳田悠岐外野手(28)だ。

 初回に先制犠飛を放つと3回には20試合連続安打となる右越え適時打。さらに4回には2試合連続弾となる中越え14号ソロ。6月は7試合で6本塁打と絶好調だ。打点も西武浅村を抜き、デスパイネに続くリーグ2位の49打点に。3試合連続でお立ち台に上がった柳田は「いいスイングができてよかった。チャンスで回してくれる皆さんのおかげです」と、汗をぬぐった。

 練習前から話題の中心にいた。選手サロンでコーヒーを飲もうとした柳田だが、コーヒーメーカーにコップを置くことを忘れた状態でボタンを押してしまい、サロンは大騒ぎ。思わぬハプニングに柳田は苦笑いだったが、打席では「穏やかな心で集中できている」と、冷静だった。

 柳田に負けじと、本塁打リーグトップのデスパイネも17、18号を放ち、松田も通算200号にあと1本と迫る11号。8回には鶴岡も今季1号を放ち、今季最多のチーム5本塁打。3、6回と2度の打者一巡の猛攻をみせた打線に、工藤監督も「打線のつながりが今は非常にいい」と、満面の笑みを浮かべた。

 交流戦折り返しとなったこの日の試合を終え、オリックス、広島と並ぶ交流戦首位の座に返り咲いた。指揮官は「いい形ができている。(残り3カードも)常に勝ち越しを目指してやっていく」と、V3に向けて照準を合わせた。【福岡吉央】