前日に球団ワーストの13連敗を止めた巨人が、痛恨の逆転負けを喫した。2-1の8回1死二、三塁、マシソンが日本ハム中田に逆転の2点適時二塁打を食らうと、巨人ベンチが凍り付いた。歴史的連敗をストップした勢いで5月24日以来の連勝を狙ったが、あえなく失敗した。高橋由伸監督(42)は「勝負どころで力のある投手でいくしかなかった」と振り返った。

 打線強化のためにクルーズを昇格したことで、2日からカミネロがいないことによる不安が現実になった。打線が0-1の7回に逆転し、あとは逃げ切るだけだった。先発の田口が8回、先頭打者に四球を与えると継投に踏み切った。中田に打順が回り、新守護神のマシソンを投入。カウント2-2から151キロの高めへのつり球が真ん中に甘く入り左中間へ運ばれた。前日9日は、9回を3者凡退に抑えて連敗ストップに貢献したが、2日続けて好結果を出すことはできなかった。高橋監督は、田口には「もったいない。もう少し投げて欲しい」と注文を付けた。

 攻撃では7回無死一、二塁から代打寺内が犠打を決め、代走重信が積極走塁で遊撃手中島の失策を誘って逆転に成功。攻めの采配で吹っ切れたかと思われたが、先制された試合が17連敗という“隠れ連敗”は継続中。4安打2得点と破壊力に欠けた打線に、高橋監督は「安打もそんなに打てていないし1人1人、工夫することが大事」と表情を硬くした。また連敗が始まってしまうのか。今日の一戦は試金石になる。【浜本卓也】