日本ハム大田泰示外野手(27)が、古巣への先制パンチで初の1番起用に応えた。10日巨人戦(札幌ドーム)で、「1番・DH」でスタメン出場。初回、先頭打者弾となる7号ソロ本塁打を放った。6、8回にも安打を放ち、移籍後初の猛打賞もマーク。前日まで6連敗で、主砲中田を3番に据えるなど、打順を大幅に入れ替えて臨んだ一戦。本拠地での劇的逆転勝利に、しっかり貢献した。

 大田がいきなり攻撃開始の合図を出した。「足が震えていた。すごい緊張した」というなかで迎えた初回の打席。日本ハムのユニホームを着て初めて任された先頭打者として、切り込んだ。カウント1-1、持ち前のフルスイング。今季7号ソロは中堅スタンドに吸い込まれた。ダイヤモンドを駆ける姿は緊張感から解き放たれ喜びにあふれた。

 栗山監督が意図した1番起用にも応えた。試合前に掛けられた「思い切って行くぞ」のひと言で士気は高まった。打順は大きく入れ替わった。連敗脱出にかけた指揮官の思いも伝わった。「いろんな意味でワクワク感があって、どっち(のチーム)が混乱するかな」と、選手同士でも話し、臨んだ。

 自然と気合の入る古巣、巨人戦。前日9日の2安打に続き、今季初の猛打賞。先頭打者本塁打は昨年6月5日、日本ハム戦(東京ドーム)で大谷から放って以来、自身2度目だ。「自分の野球人生の中で価値のある1本だったと思う。今日の日は忘れない」と興奮は冷めやらない。8年間在籍しレギュラーに定着できなかった右の大砲は新天地で居場所をつくった。本塁打は巨人時代のシーズン最多4本を更新している。「8年間ジャイアンツでやらせてもらったおかげでここにいる。感謝の気持ちが強い」。成長した姿を見せる。恩返しの思いをぶつけた。

 お決まりのパフォーマンスは封印した。お立ち台では最後に決めセリフ「ファイターズ最高!」の絶叫を振られたが、両手でバツをつくった。「いろいろ諸事情があり、今日はご勘弁ください」と自粛。残念がるファンに謝罪しながら「明日も試合がある。しっかり勝ち越して、また明日たくさんの方に見てもらえれば」としっとりと締めくくった。古巣にも敬意を払う。練習姿勢で見せる努力家な面にも通じる誠実さだった。【保坂果那】

 ◆大田の先頭打者本塁打 16年6月5日の日本ハム戦(東京ドーム)で「1番・左翼」で出場。1回、相手先発大谷の内角速球を捉え、左翼席へ3号ソロ。「真っすぐが速いので、指1本短く持ってコンパクトなスイング」を意識し、豪快な1発を運んだ。