32歳のオールドルーキー日本ハム村田透投手が、うれしいプロ初勝利を挙げた。試合終了後、ベンチ前のハイタッチでナインを迎えた村田は、守護神増井からウイニングボールを受け取るとニコッと表情を崩した。

 西川とともにお立ち台に上がると感無量の様子で、自然と涙を目に浮かべた。「結果を残せなくてはがゆい気持ちだったけど、そんな中でも応援してくれた両親、仲間に感謝したい。まだ短いイニングしか投げられず助けてもらってばかりですが、自分が引っ張っていけるような投球をしたい」。

 時折、震える声を絞り出した。迷惑を掛けた両親に贈ると決めていた勝利球をポケットにしのばせたが、インタビュアーにせがまれ大事そうに取り出した。

 古巣巨人相手に4回まで無失点。5回に連打で1点を献上したが、追加点は与えなかった。味方が4回までに4点を奪い、プロ初勝利の権利を得て5回1失点でマウンドを託した。

 2007年秋のドラフトで巨人に1位指名を受けたが、1軍登板を果たせず2010年オフに戦力外通告を受けた。12球団トライアウトでも声は掛からず海を渡った。米メジャーのインディアンスとマイナー契約を取り付けた。2015年には黒星を喫したものの、夢のメジャー登板も果たした。

 16年オフに自由契約となり、同年日本ハムと契約。今季4月2日の西武戦で国内プロ野球復帰初登板を果たし、この日が7試合目の登板。5度目の先発マウンドで栗山監督の期待に逆輸入右腕が白星で応えた。