5度目出場の立大(東京6大学)が、59年ぶり4度目の日本一に輝いた。

 溝口智成監督(49)は就任4年目の今季、指導法を変えた。1人のバントミスは全体の責任として、全員に居残りを命じた。内野守備が乱れると、内野だけでなく、外野陣にも練習させた。「個々の力ではカベを越えられない。うちは全員で戦わないと勝てない」。

 過去3年、リーグで2度王手をかけながら優勝を逃した。08年からの「アスリート選抜」採用で甲子園常連校からの選手は増えた。しかし勝てない。「実績で勝てるほど甘くない」。MVPの大東は指定校推薦、手塚、高取は1浪して入学した。部員188人を競わせてつかんだ優勝だった。

 実は同監督も1浪して入学していた。3年春からレギュラーとなり、一塁手として2度ベストナインに。4年秋には主将としてリーグを制し、明治神宮大会では準優勝した。

 夫人と1男1女。現在は合宿所近くで下宿生活を送る。「帰り道でチクショーと叫ぶこともありました。今日は『ヤッター』と叫びますか」。こういって車に乗り込んだ。【米谷輝昭】