中日助っ人コンビが4打点の活躍で乱打戦を制した。4番ダヤン・ビシエド外野手(28)と5番アレックス・ゲレーロ内野手(30)で5得点に絡んだ。先発又吉が2度、勝ち越しを許したが、VG砲の活躍で劣勢をはねのけた。チームは2連勝。今日14日にDeNAが敗れ、中日が勝てば今季初のAクラスに浮上する。

 1点を追う6回1死。ビシエドが2番手鍵谷の初球、高めの149キロ直球をフルスイング。高々と上がった打球は左翼スタンド中段に着弾した。初回の2ランに続く13号同点ソロを披露し「本当に完璧。いい1日になった」。1試合2本塁打は16年5月7日巨人戦以来、自身2度目となった。

 復調の兆しかもしれない。5月の月間MVPを取ったビシエドだが、6月に入り10試合で41打数5安打、打率1割2分2厘と苦しんでいた。7日、千葉市内のチーム宿舎でMVP受賞の会見の際にかぶっていたのは、つばに「リナレス」とカタカナで書かれた帽子。球場に自身のものを忘れリナレス巡回コーチに借りたという。「キューバの至宝」の帽子をなで「いっぱい触ったので御利益がないかな」とポツリ。何でもあやかりたかった。少し時間は空いたが快音が響いた。

 5-5の8回1死二塁からはゲレーロが決めた。左中間フェンス直撃の適時二塁打。決勝打に「チームの勝利に貢献できてうれしい」と会心の笑顔だ。

 シーソーゲームをモノにした森監督は「いいところでいいつながり、いい1発があれば(試合は)取れる」と話した。ビシエドも「とてもいい勝ち方。いい方向に向かっている」と胸を張った。Aクラスは目前だ。【宮崎えり子】