ソフトバンクが「日本生命セ・パ交流戦」で首位を争う広島との直接対決に先勝した。2試合連続で1番に入った松田宣浩内野手(34)の安打で火を付け、開始わずか6球でジョンソンから2点を先制。改造打線がはまり、電光石火の先制劇で勝利した。今日17日に広島に勝てば西武、阪神の結果次第で史上初となる交流戦3年連続勝率1位が決まる。

 電光石火の速攻だった。まだ暑さの残る開始直後、ソフトバンクが6球で主導権を握った。初回に松田からの3連打で2点を先制。負ければ広島が交流戦V王手となる中、ファーストストライクを打ちにいく積極打法が実を結び、交流戦首位広島に並んだ。

 主軸を打ってきた内川、デスパイネが負傷離脱し、14日巨人戦では継投によるノーヒットノーランを食らったが、前日15日に打線をテコ入れ。2日連続で1番に起用された元気印・松田が口火を切った。

 「初回に(塁に)出られてよかった。1番だったので、第1打席はプレーボールから三振したら具合が悪い。凡打でも前に転がせばと思っていた」

 1ボールから左前打で出塁すると、バントの構えをしていた今宮がバスターエンドランで初球を中前打。無死一、三塁のチャンスで柳田への2球目が暴投となって松田が先制のホームを踏み、続く3球目で柳田が左前適時打。6球で鮮やかに2点を奪った。

 チームはこの日、東京から新幹線で約4時間かけて広島に移動。疲れの残る中での試合だった。だが松田にとっては験のいい球場だった。昨年、柳田、内川に続く3者連続本塁打を記録。その記念写真は、自宅に飾られている。

 1番抜てきの理由を「マッチの気迫にかけたい」と話していた藤本打撃コーチは「マッチがいきなりヒットを打ってくれて盛り上がった」とにんまり。工藤監督も「(ジョンソンは)立ち上がり、ビュンビュンくるわけじゃなかった。ストライクを取りにくる球もあった」と、甘い球を逃さなかった積極性を勝因に挙げた。

 11勝5敗で広島と交流戦首位で並んだ。今日17日も広島に勝ち、西武が負け、阪神も引き分け以下なら交流戦史上初の“3連覇”が決まる。3連勝で3年連続7度目となる交流戦制覇へ。松田は「おっしゃ、いこうや!」と声を張り上げた。【福岡吉央】

 ◆交流戦1位の行方 1位の可能性があるのは広島、ソフトバンク、西武、阪神の4球団。2球団が勝率、勝利数で並んだ場合は<1>直接対決の成績<2>交流戦18試合のTQB(得失点率差)の順で順位を決定。3球団以上が並んだケースは交流戦18試合のTQBで順位を決める。残りの広島-ソフトバンク戦が1勝1敗で両チームが12勝6敗、勝率6割6分7厘で並び、西武と阪神が勝率6割6分7厘未満のケースは、直接対決で勝ち越したソフトバンクが1位となる。

 ▼ソフトバンクが今日17日に交流戦1位を決めるのは(1)ソフトバンクが広島に○(2)西武が●(3)阪神が△または●のとき。