日本ハムが“大谷効果”でリーグ戦再開初戦を10安打7得点で快勝した。

 号砲は中田翔内野手(28)がならした。4回無死一塁で左翼席中段へ先制9号2ランを放つと、三塁側ベンチ前で大谷と笑顔でハイタッチした。2発目は7回1死一塁でバックスクリーン左へ10号2ラン。「久々の感触で本当に気持ち良かったです」と完璧。今季初の1試合2発で7年連続2桁本塁打を決めた。

 大谷が約2カ月半ぶりにベンチに戻り、チームも勢いづいた。大谷不在中にレギュラーに定着した大田泰示外野手(27)は、7回先頭で左翼席へ9号ソロを放った。「翔平がいるといないで違うんでしょうが、いると何か違うと感じますね」と、不思議な雰囲気を体感した。見えざるオーラに後押しされたかは分からないが、「ちょっと詰まり気味でしたけれど、入って良かった」と7試合ぶりの1発で自身初の2桁本塁打に王手をかけた。

 負ければ自力優勝の可能性が消滅する危機を、中田と大田のアーチ競演で救った。だが楽天とはまだ14ゲーム差で状況は厳しく、中田は試合後に大谷の打線復帰を熱望した。「近藤もケガで抜けているので完璧なオーダーとは言えないけど、翔平が戻ってくれれば威圧感も出るし、チームも変わると思う」と確信する。「翔平が、試合に出られるようになればね…」。中田は続く言葉をのみ込んだが、巻き返しへ大きな波を起こせるはずだ。【木下大輔】