フォームが変わらないから操れた。マウンドの頂点、プレート板の前には15・2センチだけ真っ平らな場所がある。成人男性の足幅は約13センチ。そこに真っすぐ立てるかが一流か否かを分ける。「真っすぐ立てている感覚はすごく大切。少し猫背に見えるかも知れないが、僕の中では真っすぐ立てている感覚がある。いつも探している」。プロ1年目、ファーム調整時の言葉だ。

 1年前は疲労で1軍にいなかった。避けて通れない「年間通しての働き」という壁に当たった。乗り越えたから完封できた。石田との左腕コンビでヤクルト戦勝ち越し。ラミレス監督は「フィジカルとメンタル。去年に比べ成長した」。DeNAには上がり目の根拠がある。【宮下敬至】

 ▼DeNA今永が4月19日広島戦に次いで今季2度目の完封勝利。DeNA投手のシーズン2完封は昨年に2試合連続を含む3完封を記録した山口俊(現巨人)以来だが、チームの左腕では横浜時代の93年野村弘樹(3完封)以来24年ぶりとなった。投球141球はプロ入り最多。前回の11日西武戦も敗戦投手ながら完投しており、2試合連続完投はプロ入り初めて。