4時間後の未来を見ていた。午後2時半。球場に現れると、杉村コーチが打撃投手を務めて遅い球を打ち込んだ。焦らず、呼び込み、体全体で打ち返す。力のないボールをスタンドに入れるため、振り切る強さを体に染みこませた。約2週間前から始めた「ショートゲーム」と呼ぶ練習。規定打席到達者で打率最下位と苦しむが「1打席目がほとんどアウトになっていて準備不足かと思っていたけど、今日は違った」と継続する力が、第1打席の本塁打につながった。

 3年後の未来を見る。試合を行った福島あづま球場は20年東京五輪の試合会場となることが決定。試合前練習で汗を流し、「東京五輪には出たい。今はまだ世界と対戦したいとかまでの気持ちはないけど、オリンピックには出たい」と日の丸を背負って戦う姿を想像した。

 苦境を救う。6回に4番打者の雄平が負傷交代。川端やバレンティンを欠く中、山田への負担は増す。内角への配球も多く、四死球はリーグ最多の53。それでも4年連続の2桁本塁打と結果を残した。「4年連続はうれしい。でも、勘違いせずにやっていきます」と気を引き締めた。期待、重圧、日の丸。大きな物を背負いながら、勝利に導く一打を打つ。【島根純】