走塁面には不安を残している。6月25日楽天戦(札幌ドーム)の試合前、6~7割の力加減でスパイクを履いてベースランニングを再開。ただ、2度目は行っていない。スライディング練習もまだだ。大谷と栗山監督の間では、1日の2軍戦で先発復帰登板、その2日後に1軍で野手スタメン復帰という流れは出場選手登録の6月23日以前に確認済みだったという。

 大谷は試合後「走塁がどうのこうのというわけではなく、まずはヒットを打つのが大事」と、この日の試合を振り返った。投打で着実にプレーの質は上がっているが、限定的な起用は今後も続く見込みだ。この日、大谷交代後の打線は1得点のみ、終盤には投手陣が崩れて大敗を喫した。大谷は、試合の流れを左右できる存在だけに、起用法には難しさが伴う。栗山監督は試合結果には「スイマセンでした」と陳謝した。ただ、大谷については「全てが計算通りで進んでいるので」と、明かした。試行錯誤は続くが、完全復活と、その先にある豪快アーチは、もう目前だ。【木下大輔】

<大谷の経過>

 ◆負傷 4月8日オリックス戦(京セラドーム大阪)の1回、一塁への走塁中に左太もも裏肉離れ。翌9日に出場選手登録を抹消され、10日にはインフルエンザB型を発症。15日からリハビリ開始。

 ◆復帰プラン白紙 5月27日に屋外フリー打撃を再開も、6月2日の定期検査で左足の筋力回復遅れが判明。ベースランニングは見合わせ筋力アップに重点。

 ◆ブルペン再開 6月13日にブルペンで本格的な投球を再開。同16日に都内病院で順調な回復が確認された。出場登録された23日楽天戦前には人工芝でベースランニングなどを確認。

 ◆復帰 6月27日ソフトバンク戦に代打で出場し空振り三振。翌28日は代打で左前適時安打。

 ◆157キロ 7月1日、イースタン・リーグの西武戦に先発し1回1失点。初球に157キロ出す。