九州男児は背中で語る。巨人長野久義外野手(32)が同点の7回に決勝の7号ソロを放ち、チームに3カード連続の初戦勝ちをもたらした。5月中盤まで打率1割台と苦しんだが、ここ6試合は27打数10安打の打率3割7分、4本塁打と復調。出身地の佐賀に近い九州北部で発生した大雨被害にも胸を痛めていた選手会長が、快音を鳴らして皆を前向きにさせる。

 長野は黙って試合を決めた。同点で迎えた7回2死走者なし。甘く入ったスライダーをかち上げると、高々と上がった打球がレフトスタンドで弾んだ。「あ、入ったー、と思って。うれしかったです。とにかく出塁することだけを心がけていました」。淡々とダイヤモンドを回りベンチへ戻ると、大喜びの田口らから次々に祝福を受けた。2試合連続の7号ソロが貴重な決勝点となった。

 この前半戦、誰よりも勝敗の責任を背負ってきたかもしれない。お立ち台に上がっても「最初、全然打てていなくて迷惑をかけた。まだ打たないと、取り返せない」と自分を責めた。