巨人田口が白球を自在に操った。4回の山田の先制2ラン以外は、ヤクルト打線に隙を与えなかった。中5日の影響も感じさせず、8回5安打2失点でハーラートップタイの8勝目。勝利数と防御率(2・09)の投手2冠となり「何とか勝つぞという気持ちで挑んだ。野手の方が助けてくれた」と感謝した。

 チェンジアップを巧みに駆使した。1巡目は封印して4回途中から解禁。「最初使わなかったおかげで効いた」と相手を戸惑わせてペースを握った。臨機応変に変化球を投げ分けるべく、6月中旬から練習にソフトボールを導入。キャッチボールを、試合球より大きな黄色いボールから始める。「普通の球を持った時に小さく感じる。僕は手が小さいから扱いやすくなる気がするんです」。精神的な余裕が直球と変化球のコンビネーションにつながり、前半戦を自身4連勝で締めた。1人で貯金を6つももたらした左腕の力投は、後半戦の巻き返しに不可欠だ。