阪神の新外国人ジェイソン・ロジャース内野手(29=パイレーツ3A)が、かつて「司令塔」を務めていたことが10日、分かった。高校時代に野球とアメリカンフットボールの二刀流で、花形ポジションのクオーターバック(QB)をこなしていた。球団関係者はクレバーな頭脳も評価した。本拠地で流れる登場曲も愛称と同じ「PANDA」に決定。後半戦のタテジマデビューが楽しみだ。

 ロジャースが調子を上げてきた。1軍首脳陣へのお披露目を終え、この日から2軍に合流。参加したフリー打撃では、最後のひと振りが圧巻だった。打球はグングンと伸び、バックスクリーンに直撃。推定130メートル弾で締めくくった。36スイングで5本の柵越え。来日以来、最多の数で、その弾道は力強さを増してきた。

 貧打打開の救世主として、シーズン途中に獲得。前日9日には1軍練習に合流し、打撃を披露した。金本監督は「パワーはあるな。振る力と。あとは対応力(がどうか)」という感想を残した。長打力に期待の声が上がる中、クレバーさでも球団内の評価は高まっている。

 高校時代に野球とアメリカンフットボールをプレー。米国では珍しくない「二刀流」だが、「ポジションは花形のクオーターバックだった」と球団関係者は明かす。

 攻撃のリーダー的な役割で、チームの司令塔だ。「話をしても、頭の回転の良さを感じさせる」と同関係者は続けた。戦術の理解度にたけていないとできないポジション。指揮官が気にかける「対応力」を持ち合わせている可能性がある。

 タテジマデビューへの準備も着々と進んでいる。本拠地で打席に立つ時に流れる登場曲がこの日までに決定。曲名はズバリ「PANDA」だ。米国のラッパーであるDesiigner(デザイナー)の大ヒット曲だ。ロジャースはパンダのニックネームで同僚から呼ばれており、日本でも自己紹介で使っている。昨年のメジャー昇格時に、同曲を採用。甲子園でも「PANDA」のリズムで軽快に登場する予定だ。

 この日は鳴尾浜球場に視察で訪れた金本監督と並んで、ウエスタン・リーグ広島戦をネット裏からチェック。日本野球の雰囲気をつかもうとした。当面は2軍で調整を続ける方向。後半戦のキーマンへの期待は膨らむばかりだ。