虎の切り込み隊長が甲子園に帰ってくる! 左アキレス腱(けん)断裂からの再起を目指す阪神西岡剛内野手(32)が、球宴明けの17日広島戦(甲子園)から1軍昇格することが濃厚となった。金本知憲監督(49)が10日、ウエスタン・リーグ広島戦(鳴尾浜)を電撃視察。球宴休み期間中の1軍合流を明言した。新助っ人ロジャースに加え、チームのムードを変えられる背番号5が首位広島に引き離された窮地を救う。

 ようやく「その時」がやってきた。西岡が1軍の舞台に帰ってくる。球宴期間中の15日に1軍に合流。復帰戦は後半戦初戦の17日広島戦(甲子園)が濃厚だ。昨年7月20日巨人戦(甲子園)の走塁時に左アキレス腱(けん)を断裂してから約1年。雌伏の時を過ごした男は、高鳴る思いをつづった。

 この日、写真投稿アプリ「インスタグラム」を更新。「15日の1軍練習から合流します」と明かし「うれしい感情はまったくないです! 気が引き締まる思いが強くて、1軍に上がることを目標に置いてないし、過程でしかない。だから喜ぶことは出来ないです!」。最後には「しかし、なんか緊張するな~」と素直な思いを書き込んだ。

 指揮官自ら鳴尾浜に足を運んだ「最終チェック」をクリアした。この日のウエスタン・リーグ広島戦に1番・遊撃で出場。正午すぎに球場に現れた金本監督は「剛? ついでに見るわ」とジョークを飛ばしつつネット裏の関係者室に直行。背番号5を追った。

 その動きは確かに際立っていた。守備では2度の遊ゴロを軽快にさばく。バットでも4回2死二塁の場面で、広島中村恭から右翼線へ適時二塁打をお見舞い。一塁ベースを蹴って、あっという間に二塁に到達した。走攻守と不安なしの動きに、金本監督も「足がよく動いていたね。二塁打も速かった」と笑顔。「球宴休みに、(1軍の)練習に来るから」と明かした。

 待望論は日増しに高まる。9日巨人戦はルーキー糸原のサヨナラ打でカード3連敗を回避したが、交流戦明け13試合で4勝9敗と苦戦が続く。西岡なら、この沈滞ムードを吹き飛ばしてくれるはず。そんな声は少なからずある。

 今日11日の2軍戦は左翼で先発予定。これまでも一塁、中堅、遊撃と複数のポジションに就き、フィットできるように準備を進めてきた。1発のある新外国人ロジャースに、ワンプレーで雰囲気を変えることができる西岡。2人の男が、逆転Vの起爆剤になる。【桝井聡】

<西岡復活への歩み>

 ◆負傷 昨年7月20日巨人戦(甲子園)の走塁時に左アキレス腱(けん)を断裂。26日に大阪府内の病院で手術を受けた。

 ◆背番号変更 11月22日、背番号7から5への変更を発表。オリックスからFA加入した糸井に譲った。

 ◆2軍発進 今春キャンプでは、安芸のリハビリ組に参加。初日から坂道ダッシュ、ノック、マシン打撃をこなした。

 ◆実戦復帰 5月30日ウエスタン・リーグのソフトバンク戦に4番DHで実戦復帰。以後19試合に出場し、3割7分3厘。