4年ぶりの首位ターンや。首位楽天が2位ソフトバンクに逆転勝利を飾り、前半戦の1位を決めた。同点で迎えた9回に銀次内野手(29)が、決勝の適時打を放った。先発のエース則本昂大投手(26)が、4失点で6回で降板。劣勢の中で、チーム一丸となって最終回に執念を見せた。貯金は今季最多の「25」に伸びた。

 銀次は勢いよく、一塁を駆け抜けた。4-4の9回2死一、二塁。ソフトバンク守護神サファテの151キロ直球を、右前へはじき返した。一、二塁間で挟まれると、小刻みに動きながら視線は本塁に向けた。二塁から生還した島内の「セーフ」を見届け、さらには一塁走者の岡島も本塁へ進ませようとし、タッチアウトを受けた。銀次は「タフな試合になると思っていた。何とか」と壮絶な激闘を制し、大きく息を吐いた。ベンチではナインが大喜びで、ハイタッチを交わした。

 終わりだけでなく、始まりも銀次だった。打線はソフトバンク先発石川の前に3回まで無安打に封じられていた。4回1死走者なしから、銀次が左前打でチーム初安打をマークした。チーム唯一の猛打賞で、打線をけん引した。梨田監督も「銀次の打撃は神がかっている」と選手会長の打撃に脱帽する働きだった。