あるぞ左翼先発! 阪神ドラフト1位の大山悠輔内野手(22)が今後、外野でスタメン出場を増やす可能性が出てきた。遠征先の東京から帰阪した24日、金本監督が外野出場について前向きな言葉を残した。3戦連続で左翼先発中の西岡はタイミングを見て休養日を設けられる可能性が高く、ドラ1ルーキーはその際に代役左翼を任されそうな気配だ。

 きれいにアーチを描いた軌道を、簡単に忘れられるはずがない。ドラフト1位大山だ。後半戦は6試合を終えて、まだ先発出場がない。新助っ人ロジャースが瞬く間に主砲の座を奪い、左アキレス腱(けん)断裂から復活した西岡の存在感も抜群。2人の陰に隠れる形となっているが、指揮官はひそかに起用法について熟考を続けていた。

 金本監督 使いたいよ。経験させたいしな。

 東京から帰阪する直前、指揮官は羽田空港で胸中を明かした。21日ヤクルト戦では9回、ダメ押しの2号3ランを左翼席中段まで届かせた。フリー打撃でも的確なミートポイントから軽々とフェンスオーバーさせている。そんな未来の大砲だけに、ベンチスタートが続くのは実に惜しい。

 とはいえ、現状ポジションに空きがないのも事実。大山は6月中旬の1軍初昇格以降、主に一塁を守ってきた。その一塁にはロジャースが定着しそうな気配が漂う。本職の三塁には鳥谷が君臨。2軍戦で経験している遊撃にしても、好調大和が簡単にポジションを明け渡すとは考えづらい。

 そこで浮上するプランが左翼大山だ。

 指揮官は鳥谷を遊撃に戻す可能性を問われると、やんわり否定した後、大山のポジションに触れた。

 金本監督 トリが無理だろう。無理というか、気持ちがね。そうなればいいけど、なかなかね。大和もいいし。大山をどこかで、外野でもいいからな。

 大山はすでに2軍戦で左翼を守っており、1軍でも7月12日中日戦で先発している。先週末のヤクルト3連戦では西岡が3試合とも左翼で先発したが、指揮官は以前から西岡の休養日について「考えないといけない」と見通していた。さらに前日23日の試合後にも「ツヨシがちょっと疲れている」と話している。

 代役左翼-。ドラ1ルーキーに再び先発チャンスが与えられる可能性は、高い。【佐井陽介】