日本ハムの先発ルイス・メンドーサ投手(33)が「愛のパワー」で3勝目をつかんだ。8回途中4安打無失点の好投でチームを4連勝に導いた。自身は5月21日オリックス戦以来12試合ぶりの白星。「何よりもチームが勝ってうれしい。最高です」と喜びをあふれさせた。

 8連敗中だった西武打線から凡打の山を築いた。初回3者凡退で好スタートをきると、勢いに乗った。「自分の球種をバランス良く制球できていた」と、キレのいいスライダーなどを駆使し、二塁に走者を背負ったのは3回の1度のみ。四球も1つでテンポよく投げ込み、味方の攻撃に流れをもたらした。

 愛する妻と息子に届けた勝利だった。長男マルセロ君(2)を腕に抱きながらのお立ち台。親子の姿を、モニカ夫人が大きくなったおなかに手をあてながらベンチ横から見守った。10月28日に予定されている第2子出産のため、今月21日にメキシコに帰国する。今季最後の観戦となる家族の前で「気合が入ったし、特別な試合だった」。

 来日4年目は苦しいシーズンを過ごす。一時的にリリーフに転向。出場選手登録も1度抹消された。本来の投球を取り戻してほしい栗山監督の思いだった。そんな指揮官も「魂が入っていた。久々にメンディーらしいピッチングだった」とうなずいた。助っ人右腕は「(シーズン)残り少ないけど最後まで全力でやりたい」と、とびきりのスマイルで誓っていた。【保坂果那】