ソフトバンクが楽天に連勝し4連勝。ゲーム差を今季最大の5・5差に広げ、独走の気配を見せ始めた。先発千賀滉大投手(24)が8回4安打無失点で楽天則本との3度目の対決で初めて投げ勝ち、今季11勝目を挙げた。チームは今季最多の貯金36とした。

 千賀は「則本さんをバリバリに意識して、投げ負けないようにと思って投げた」。小雨が降り続く中、負けたくない一心で最速154キロの直球とワンバウンドを恐れずフォークを投げ込んだ。8回まで毎回の10奪三振、4安打無失点に抑えた。

 8回終了後に工藤監督から「終わり」と交代を告げられたが「まだ力ありますよ」と9回も直訴した。すでに124球投げていたため守護神サファテと交代したが、則本がまだ続投していただけに代わりたくなかった。「則本さんは9イニング、僕は8回(で降板)。まだまだだなと思った」と、2失点しながらも最後まで投げ抜いた則本の姿に、エースの意地を見せつけられた。侍ジャパンでともに世界一を目指した。「人柄もすばらしい。すごい投手」と、心から尊敬する。完全に投げ勝つのは次回以降に持ち越された。

 背中の張りから戦列に戻った7月1日以降、7戦負けなしの5連勝とチームの首位に大きく貢献している。今季3試合目の登板で楽天からも初勝利を挙げた。工藤監督は「千賀はすばらしい投球だった。岸、則本に競り勝つのはそうそうできることではない。みんなが集中してゲームをやっている」と、ダブルエースを撃破したナインをほめた。2位楽天とは今季最大となる5・5ゲーム差をつけた。今日20日楽天戦の後は22日から3位西武との3連戦が待つ。だが、4連勝中のソフトバンクなら、一気にパ・リーグの灯を消してしまいそうな勢いだ。【石橋隆雄】