日本ハムが今季15度目の完封負けで、今日20日にもリーグ連覇の可能性が消滅することになった。苦手とする2年目右腕・西武多和田に、またもひねられた。打線は三塁を踏むこともできず、散発5安打。好投した先発上沢を援護できず、最後まで押し切られた。

 4打数無安打に終わり、最後の打者にもなった中田も脱帽するしかなかった。「今日は、良かったですね。悔しいですけど。トータル的に見たら、真っすぐもスライダーもコントロールも良かった。甘い球は、なかったね…」。4番は7回と9回に好機で打席が回ったが、空振り三振と遊飛。試合後は、素直に相手の好投を、たたえることしかできなかった。

 これで、日本ハム打線は多和田に昨季から4試合30イニング連続無得点で、4連敗となった。1度も連打を浴びせられず、先頭打者が出塁したのも9回だけ。今季だけでなく、来季以降も対戦が続く相手だけに栗山監督は「多和田らしい、すばらしい投球だったことは間違いない。ただ、それを言い訳にしてはいけない」と、厳しい表情で語気を強めた。

 連勝が4で止まり、数字上は可能性を残していた2年連続リーグ制覇の夢も風前のともしびだ。あと1試合敗れた時点でV逸が決まる状況に追い込まれた。完敗だったが、中田は「チーム状況はいいだけに、何とかしたかった」と、前を向いた。どんな状況でも必死に勝ちに行くことだけは、変わらない。【木下大輔】

 ▼日本ハムが、19日の西武18回戦(札幌ドーム)で多和田に9回完封負け。対多和田は16年7月28日(西武プリンスドーム)の試合で初回に1点を取った後、2~6回まで無得点。同年8月11日(札幌ドーム)は9回完封負け。今季は7月22日(メットライフドーム)で7回零封に抑えこまれ、この日の9回を加え、連続無得点が30イニングとなった。

 ▼日本ハムは今日20日の西武戦に敗れれば、今季の優勝の可能性が消滅する。今日の試合で敗れると、107試合38勝69敗となる。残り36試合に全勝すると、74勝69敗で勝率は5割1分7厘。首位ソフトバンクは19日現在で110試合73勝37敗。残り33試合に全敗した場合、73勝70敗で勝率5割1分となるが、上位3チームは直接対決を残しており、ソフトバンク全敗の場合は、2位楽天か3位西武が日本ハムの勝率を上回る。楽天か西武が全敗した場合も同様。