巨人高橋監督が「攻めの采配」で阪神藤浪を陥落させた。0-0の7回1死で村田が死球。帽子を取って謝る藤浪の表情に、制球難の顔がのぞいたのを見逃さなかった。代走重信を投入。二盗を決行して得点圏に進め、亀井の適時二塁打を呼び込んだ。その後も小林のセーフティースクイズ(結果は二安)と思うままにタクトを振り、打者11人の総攻撃で一挙6得点。粘る虎を一気に引き離した。

 想定外の試合展開にも動じなかった。近況は制球難だった藤浪が投じる外角への150キロ台の速球に手を焼いた。6回まで2安打と膠着(こうちゃく)状態に陥った。そんな中、7回に訪れた勝負の潮目。見定めて勝負に出た指揮官のゴーサインに選手も躍動した。1死一、二塁では、二塁走者の脇谷がカウント2-2からスタートを切り、一塁走者の陽も瞬時に反応。マギーの二ゴロで一気に本塁を狙うと野選を誘い、追加点を奪った。高橋監督は「そういう状況をつくってくれたのは選手。そこで動いてくれたのも選手。よく粘ってくれた」とたたえた。

 2位阪神に勝ち越し、29日からは首位広島、3位DeNAとの6連戦。「勝っていかないと近づけない。少しでも近づけるように」と結んだ。残り28試合。硬軟織り交ぜた攻め手で、上位を追う。【浜本卓也】