思わずこぼしたことがある。「今年はもう勝てないんじゃないかな」。12試合で0勝7敗。苦しい現実だった。学生時代の球友からデビュー戦の頃はLINEで「初登板おめでとう!」といったメッセージをもらったが、最近は「いつになったら勝つの?」といじられた。「うん~難しいね」。返信に本音が出てしまった。「結果が全てですから」。自分の勝ち運のなさを責め続けた。
登板の2、3時間前は学生時代から同様に緊張するタイプ。それは今も変わらない。ただデビュー戦と変わったのは、周囲が見渡せる冷静さが出てきたことだ。主催試合では1回裏にマウンドに上がると登場曲が流れる。最初は「全く聞こえなかった」が、今ではリズムを口ずさんで試合に臨めるようになった。
初登板から実に13試合を要しての白星。小野は昨年11月の仮契約の時に「まずはプロで1勝を挙げたい」と誓った。初登板から3カ月半も時間を要したが、やっと1つの目標をかなえた。「ここから勝ち続けていきたい」。連戦連勝で借りを返す。【山川智之】




