金本監督 ものすごい当たりでしたね。どこまで飛ばすのか、という当たりを見せてくれた。

 金本監督が「初めての恋人」とラブコールを送ったFA戦士がチームを再加速させた。球宴明け直後に右脇腹筋挫傷を負ったが8月17日広島戦から1軍復帰。翌18日中日戦からスタメン復帰したが、そこから11試合連続安打をマーク。チームも8勝3敗と上げ潮ムード。秋風を吹き飛ばすような虎進撃の原動力は間違いなく背番号7だ。

 一流打者は道具へのこだわりも一流だ。特に「相棒」であるバットは肌身離さず携える。それだけバットへの思い入れは強い。ホームラン打者の使用するバットにも興味が強く、春先には業者にお願いしてジャイアンツなどで活躍したバリー・ボンズが使用していた同型のバットを作ってもらったこともあった。オリックス時代の後輩である吉田正と同型のバットで練習したこともあった。

 糸井 1試合も落とせないと思って戦っていきます。

 首位広島が敗れて6・5差に縮まり、阪神の自力Vが復活。金本監督は「もういい、毎回毎回」と、その話題を笑い飛ばした。でもあの放物線を見れば、虎党も夢を抱く。【桝井聡】

 ▼糸井が延長10回にサヨナラ本塁打。サヨナラ安打は日本ハム時代の10年に2本あるが、サヨナラ本塁打はプロ入り初めてだ。糸井の本塁打は通算137本目となったが、過去に「サヨナラ」だけでなく、「満塁」と「代打」もなし。通算100本塁打以上の打者で、サヨナラ、満塁、代打の3種類の本塁打が1本もないのは糸井とクルーズ(日本ハム=通算120本)だけだった。