糸井でまた、また、また自力V復活や! 阪神糸井嘉男外野手(36)がプロ14年目で初のサヨナラ弾を放った。同点の延長10回。近藤の148キロ真っすぐを右中間席中段までカッ飛ばす特大アーチだ。お立ち台で左手を突き上げ「やりましたー!」と絶叫した姿が頼もしい。首位広島が敗れてその差は6・5に縮まり、今季3度目の自力Vが復活。きっと大逆転優勝できる…。超人が夢を運んだ。

 どれだけ飛ばすんや…。大声援に包まれた白球が甲子園の夜空に舞った。3-3の延長10回。決めたのは糸井だ。2死走者なし。昨季までオリックスで同僚だった近藤の外角148キロをフルスイングした。黒いバットを放り投げて見つめた先は、右中間スタンド中段だ。12号ソロは自身初のサヨナラ弾。打った本人も胸の高鳴りを抑えられない。

 糸井 しっかり強いスイングをしようと、それだけだった。甲子園でサヨナラホームラン打てて、最高の気分です。

 夢のような景色だった。総立ちのスタンドの声援を独り占めすると、本塁付近にはナインが水を抱えて待っていた。ベースを踏むと、もうもみくちゃ。歓喜のシャワーで水浸しだ。ベンチ前の金本監督と熱く抱擁。指揮官から「これがスーパーベジータか!」と、糸井が大好きなドラゴンボールの人気キャラクターを引き合いに絶賛された。