オリックス優勝の可能性が2日、消滅した。ソフトバンクが勝ち、残り26試合に全勝しても上回れなくなった。直近の優勝はイチローらを擁し、「頑張ろう神戸」を合言葉に日本一に輝いた96年が最後。21年連続V逸。現12球団で最も優勝から遠ざかっているが、福良監督は「1つ1つ勝っていくだけです」とCS出場に目を向けた。

 3月と4月は15勝8敗で終えたが急降下した。中軸候補の吉田正が腰痛で開幕に間に合わず、新4番のロメロが左膝大腿(だいたい)骨骨挫傷で4月末から長期離脱。5月は球団ワーストタイの月間19敗(6勝)を喫し、借金6を背負った。球団が5月末にマレーロの緊急補強に動くまで野手の層の薄さを露呈し、代打の人選にも苦しんだ。

 一方で、来季につながる好材料は出ている。大城らがレギュラー候補の可能性を見せ、競争は少しずつ激化。まだ12差はあるが、3位楽天が大型連敗を続けており、「追いつくチャンスがあるのでは、と選手は感じている」と首脳陣は不沈ムードを明かす。この日、2位西武に3年ぶりの勝ち越しも決めた。CSを目指す問いかけに、福良監督は「もちろんです」と即答。リーグ制覇は消滅しても、下克上日本一への挑戦権は残っている。【堀まどか】