広島戦の同一カード3連敗は今季初めてだ。1、2戦目はチームを支えてきたリリーフ陣が持ちこたえられなかった。この日は12勝の秋山が打ち込まれた。相手打線の勢いはどうにも止まらなかった。金本監督は言った。「勢いと流れに勝るチーム力がなかった。そういうこと。あれだけ強風が向こうに吹けば…。そういう3連戦だった」。広島は主催試合で45勝17敗1分けと圧倒的な勝率を誇る。敵地で一矢報いることはできなかった。

 3連勝ならば、逆転優勝に希望をつなげた。それがまさかの3戦全敗。優勝へのマジックは「8」にまで減らされた。リーグ制覇はもはや絶望的な状況だ。それでも指揮官は嘆かなかった。「去年とは明らかに変わっている。選手も力の差はあるが、明らかに力がついているとは思う。まだシーズンは終わったわけじゃないが、自信にしてほしい」。昨年、完敗した相手に、互角の戦いに持ち込んだ。大山、中谷といった若虎が主軸を担って。チーム力の向上には、手応えをつかんでいる。

 今日8日からは本拠地で3位DeNAとの3連戦が待っている。3・5ゲーム差をつけており、2位の座を死守する必要がある。「僕は(ズルズル)いかないと思う。いってはいけない。それは絶対に」。指揮官は語気を強めた。シーズンは残り19試合、ポストシーズンもある。広島との「差」をいかに詰めるか。まだ終戦の時は迎えていない。【田口真一郎】

 ▼阪神の同一カード3連戦3連敗は、6月27~29日中日戦以来、今季2度目。広島戦に限ると、16年7月8~10日以来。同年はこれを含み、このカードで9連敗していた。