優勝マジック1で、セ・パ同日Vの可能性もある広島とソフトバンクは15日、大一番に備えて調整した。地元マツダスタジアムで戦う広島は、台風18号接近による雨を警戒。今日、明日17日と2試合続けて雨天中止になると舞台が甲子園に移ってしまうとあって、本拠地胴上げを切に願った。

 広島の敵は、東京からやって来る燕軍団だけではなかった。本拠地胴上げを阻止しようと? 台風18号を中心とした雨雲も、九州方面から広島に向かっている。台風は明日17日にも中国地方に上陸する可能性が高く、16日ヤクルト戦の開始時間14時も降水確率は70%の雨予報となっている(15日午後6時現在)。

 中止の可能性も十分にあるが、広島ナインはプレーボールに備える。15日は指名練習の先発陣だけでなく、タナキクマルの3選手や中崎ら数人が球場を訪れた。天候を気にしながらも「できれば早く決めたい」と口をそろえる。絶好調の4番松山は「天気には勝てない。でも明日だけはやりたい。とにかく早く決めたい。その思い」と広島ナインの気持ちを代弁した。

 本拠地胴上げを信じるのは選手だけではない。この日の午後6時時点で、球場前にシートを敷いたファンがすでに約100メートルの列をつくった。広島だけでなく、甲子園の天候もある。中止だけでなく、阪神の結果にも左右される。鈴木球団本部長は「いろんなことを想定している。待つしかない」と話した。仮に今日16日の試合が中止となっても球場を開放。ファンとともに大型ビジョンで阪神-中日戦を観戦する。

 マツダスタジアム一塁側コンコース下の駐車場に設営されたビールかけ会場は、そのままの状態が保たれる。日本酒2たるに、ビールは昨年の2倍となる6000本が用意された。あとはチームの勝利を待つだけだが、試合実施は微妙な状況。本拠地での2試合が中止になり、優勝決定が18日の阪神戦(甲子園)にずれ込めば、ビールかけ会場の天井、壁面、地面にわたる養生の費用200万円超が水の泡となる。選手やファンだけでなく、球団にとっても、まずは試合実施を祈るばかり。みんなが91年以来、26年ぶりの広島胴上げを待っている。【前原淳】

 ◆連盟特別管理試合 天候などにより試合を行うかどうかの判断は、終盤戦に入ると連盟が管理する。両リーグのアグリーメント(申し合わせ事項)によると、今年の適用期間は8月29日以降の試合。全日程を消化するため、この時期は慎重な決定をしなければならず、球団に決定権はない。