阪神金本知憲監督(49)が2位の死守を心に誓った。15日に甲子園で指名練習を行い、今後の目標設定を奇跡の逆転優勝からクライマックスシリーズ(CS)の本拠地開催に切り替えた。シーズンも残り13試合で、3位巨人に5・5ゲーム差をつけている。「CSは本拠地甲子園でやらなアカン。全く油断していない。早くに決めたい」と2位確定に全力を尽くす決意を明かした。

 広島の優勝マジックは「1」となり、終戦の時は目前だ。金本監督は指名練習で若手の打撃練習を穏やかな表情で見つめた。奇跡の逆転優勝へ、これまでファイティングポーズを崩さなかったが、もはや現実的な目標ではない。「それは無理ですよ」と冷静に話し、今後のモチベーションをどこに置くか、自らの考えを明かした。「まずは2位の確保でしょう。CSは本拠地甲子園でやらなアカン」。10月14日に開幕するCSファーストステージの開催権死守に全力を尽くす。

 現時点で3位巨人に対し、5・5ゲーム差をつけている。残り試合を考慮すれば、かなりのアドバンテージはある。それでも指揮官は気を引き締めた。「油断していない。早くに決めたい。何があるか分からないから、危機感はもちろん、ある。『もう2位だ』とか、全然、楽観視はしていない」。ライバルの巨人やDeNAは戦力が充実しており、油断すれば、差を詰められる。1日でも早く2位の確定を目指す。

 1敗2分けに終わった巨人3連戦では、守備のミスが目立った。シーズン最終盤で疲れが集中力を奪うケースはある。しかし、それが勝敗を分けてしまう。特に短期決戦では。金本監督は危機感を募らせる。「昨日もミスは多かった。守りのミス。うちはとにかくスキがある。それだけの技術、レベル。失礼だけど、まだまだ未熟なね。短期決戦はミスが命取りだから。そのワンプレーで決まってしまうから」。ただし選手が消極的になるのは望まない。「ミスはいいから、思い切ってやれと、ね。おれはミスすると思っている。そう思って、若手や中堅を使っているが、それにしても多いんじゃないの? のびのびはやらせたい。ミスを恐れずにね」。各自がミス撲滅に取り組んでくれることを願った。

 残り13試合はシーズンの集大成とも言える。ギアを上げて、2位確定まで突っ走る。【田口真一郎】