右足腓骨(ひこつ)骨折からの再起を期す阪神ランディ・メッセンジャー投手(36)に追い風だ。16日、中日戦(甲子園)が雨天中止となり、10月5日以降に代替試合が組み込まれる方向となった。当初は10月1日巨人戦がシーズン最終戦だったが、4日以上ズレ込む見込み。クライマックスシリーズ(CS)での先発復帰を目指す右腕が、1軍戦で調整登板を挟める可能性が一気に高まった。

 「恵みの雨」と表現できる。空を覆い尽くした雨雲が、メッセンジャーの復帰ロードを明るく照らし出した。この日の中日戦は午前11時に中止決定。その代替日がありがたいことに、中日の日程との兼ね合いもあり、10月5日以降に組み込まれる見込み。右足骨折からCSファーストステージでの復帰を目指す大黒柱にとっては、1軍で調整登板できる期限が一気に延びた形だ。

 甲子園室内練習場での全体練習後。金本監督は右腕の1軍戦調整登板について「あるかもね。そこは行けたら行きたいね」と力を込めた。可能であれば、CSに大黒柱を投入したいのは言わずもがな。ただ、見切り発車はリスクが高すぎる。「状態を見ないと。2、3試合。短いイニングでもいいから。まずはそこでしょう」。そう青写真を描く中で、この日の雨天中止は大きな意味を持つ。

 当初、シーズン最終戦は10月1日巨人戦の予定だった。同5日以降にもゲームが入れば、背番号54が1軍戦で調整登板できる可能性はグッと高まる。CSファーストステージは同14日開幕。2軍戦登板→1軍戦登板→CSファーストステージ先発というプランが現実味を帯びてきた。

 メッセンジャーはすでにスパイクを履いての投球を再開している。この日は鳴尾浜でズブぬれになりながら約10分間、キャッチボールを行った。医師から片足に体重をかけてもいい、と判断され次第、ブルペン投球を再開する見通しだ。

 指揮官は「(本人は)『もう行ける』と言っていた。ほえていた(笑い)。やる気満々よ(笑い)。こちらからすれば、うれしい気合だけどね」と目を細めた。絶対に戻ってくる-。大黒柱の心意気が、大舞台で実る瞬間が待ち遠しい。【佐井陽介】