広島ドラフト4位ルーキーの坂倉将吾捕手(19)が初めて出場選手登録されることが19日、濃厚となった。日大三から入団した期待の若手捕手がついに1軍へ。巧みなバットコントロールとミート力を武器にアピールする。高卒1年目野手が1軍の舞台で安打を放てば鈴木誠也外野手(23)以来となる。

 第2の鈴木誠也へ。広島ドラフト4位の坂倉が初めて出場選手登録されることが濃厚となった。坂倉は日大三から入団。高卒1年目ながら、ウエスタン・リーグで99試合に出場。打率2割9分8厘、1本塁打、34打点をマーク。7月13日に行われたフレッシュ球宴にも選出され、非凡な打撃センスで注目を浴びていた。

 プロへの1歩を踏み出す。チームは前日18日に37年ぶりとなるセ・リーグ連覇を甲子園で決めた。この日、チームは石原の出場選手登録を抹消。坂倉の昇格には“体験”の色合いもあるが、21日にはCSでぶつかる可能性のある阪神とマツダスタジアムで戦う。1軍の投手を相手にどんな打撃を見せられるか。クライマックスシリーズ(CS)、日本シリーズへ向けたアピールの場にもなるかもしれない。

 広島の高卒ルーキー野手が1軍昇格を果たすのは13年の鈴木以来となる。鈴木はチームが初のCSを狙っていた13年9月14日に1軍昇格。同16日に代打でプロ初安打となる左前適時打を放った。チームに新しい風を吹かせ、段階を経てチームの主力へと成長していった。坂倉の打撃はOBで天才と呼ばれた前田智徳氏級とも言われ、緒方監督は今春のキャンプで坂倉が1軍を1日体験した際に「体幹がしっかりしたスイングができている。打撃センスを感じる」と高く評価していた。

 真の黄金時代到来へ、次なる主力の育成にも手を抜かない。首脳陣は選手を問わず結果だけを求めない方針を貫いてきた。結果ではない。貴重な経験を積み、次のステップに進んでくれればいい。ファンにとっても楽しみな存在が、ベールを脱ぐ。

 ◆坂倉将吾(さかくら・しょうご)1998年(平10)5月29日、千葉・成田市生まれ。酒々井小1年時、酒々井ビッグアローズで野球を始める。酒々井中では八千代中央シニアに在籍し、3年時に全国優勝。日大三では外野手として1年秋から4番。2年秋から正捕手。高校通算25発。入団会見では日課の朝の散歩をプロでも続けることを宣言した。176センチ、82キロ、右投げ左打ち。