異例の転身なるか-。今季途中から日本ハムで通訳を務めるラファエル・フェルナンデス氏(31)が、11月15日に開催される12球団合同トライアウト(マツダスタジアム)に参加することが10日、分かった。同氏は09年育成ドラフト1位でヤクルトに入団した右投げ右打ちの投手で、11年に支配下登録された元プロ野球選手。「シーズン中から肩は作っていました。12球団、どこでも声をかけてもらえるなら」と、本気で現役復帰を狙っている。

 ブラジル出身で、母国の高校を卒業後、白鴎大に野球留学。4年間在籍したことで、日本人選手の扱いとなるのも強みだ。ヤクルト時代は12年にプロ初勝利を挙げたが、13年オフに戦力外。14年以降は独立リーグの四国IL愛媛などに所属しながら、現役復帰の道を探っていた。

 今季は所属がなかったが、妻の故郷の茨城で仕事をしながら、自主トレを重ねていたところ、6月末に日本ハムから通訳の仕事が舞い込んだ。シーズン中も通訳の業務の合間に、トレーニングを継続。札幌ドームでも2度、ブルペン入り。決して満足な練習は出来ていない中で、球速は138キロをマークしたという。「球団からは練習の手伝いが終わったら、好きに自分の練習をしていいと言われています」。日本ハムのバックアップも受け、トライアウトへ向けて着々と準備を進める。

 ◆ラファエル・フェルナンデス 1986年4月23日、ブラジル生まれ。カントリーキッズ高から野球留学で白鴎大へ。08年育成ドラフトでヤクルト入団し、13年までの在籍で通算10試合1勝0敗、防御率8・31。13年WBCブラジル代表、現役時代は180センチ、78キロ。右投げ右打ち。