出場機会の幅を広げる挑戦だ。今季ブレークした日本ハム松本剛内野手(24)が18日、千葉・鎌ケ谷で行われている秋季練習中に、二塁の守備練習を行った。内野手登録だが、今季は主に外野手として自身最多115試合に出場。11月の「ENEOS アジアプロ野球チャンピオンシップ2017」(東京ドーム)に出場する侍ジャパンの一員は、複数ポジションを高いレベルでこなせる存在を目指す。

 今季外野のレギュラーとして成長を遂げた松本が、新たな挑戦をスタートさせた。秋季練習(鎌ケ谷)のシートノックで二塁のポジションに入った。練習後、意図を尋ねられると「聞かれると思った」と笑った。「僕自身の幅を広げるために少しでも内野も、と思ってくれている」と首脳陣の思いを受け止め、取り組んだ。

 6年目でブレークした松本への期待の表れだ。栗山監督は「来年はいろんなことが起こる。浅間もいるし岡もいるし、(新しく獲得する)外国人が外野の可能性もある。どこで自分が出られるんですか? ということ」と、今季故障などで苦しんだ選手が万全となることも想定。「剛だけじゃなく、複数のポジションはお願いしてるし、幅は広がる」と話す。

 二塁は今季、固定できなかった。6選手がスタメンに起用され、昨季全試合出場した18年目のベテラン田中賢が最多50試合。ルーキーの石井一が47試合で次いだ。来季へ、多数の選手で争う激戦区となりそう。チーム到達者5人だった規定打席を自身初めてクリアし、リーグ10位の打率2割7分4厘をマークした松本も“参戦”の形だ。

 遊撃手として帝京から入団。プロ入り後も内野に取り組んだが、15年から1軍の出場機会を求め外野に挑戦してきた。「外野として今年こうやって出て、外野の1軍レギュラーを取りにいく気持ちは強いけど」と、ポジション死守への思いを抱きながら「一生懸命取り組むだけ。外野に戻ってもプラスにしたい」と前向きに話した。【保坂果那】

 ◆松本の守備位置 プロ6年で外野3ポジションのほか、一塁、二塁、三塁で出場経験がある。115試合に出場した今季は、途中出場も含め右翼中心に外野で105試合、一塁で5試合、守備に就いた。二塁は15、16年に各1試合のみで、ともに途中出場で1イニング。13年10月4日のプロ初出場時は三塁で先発だった。