ソフトバンクの鉄壁救援陣が第3戦もフル回転だ。ベンチは5-5の同点の6回から継投に。石川、嘉弥真、森、岩崎とつないで、最後は守護神サファテが今CS初登板。岩崎が勝利投手となり、サファテはきっちりセーブを挙げた。これで3試合通じてリリーフ陣の失点は計10イニングで「0」。自慢の救援陣が勝利を呼んできた。

 サファテが出てくればもう安心だ。1番茂木からの楽天の好打順もあっさり3人で片付け、おなじみのおじぎポーズをみせた。「今日はお互いいい試合だったし、自分の仕事ができてよかった。同点だったら2イニングくらいいくつもりだった」。第3戦でCS初登板。リーグ戦から19日ぶりの登板だったが、ブランクを感じさせない投げっぷり。シーズン54セーブをマークした実力通りに力強く締めた。

 勝ち星は3連投となったセットアッパー岩崎が手にした。同点の8回に5番手で登板。3者凡退でリズムをつくり、その直後に中村晃の勝ち越し2ランが飛び出した。「勢いがつく勝ち方。チーム全員で勝ったと思う」。お立ち台では「2連敗した後の試合で和田さんが先発でしたが、ちょっとダメだったので中継ぎ陣で何とかしようと」とスタンドをどよめかせると「あ、これは和田さんが言えと言ったので…」と爆笑の渦に変えた。

 チームは2連敗からのようやくの白星だが、中継ぎ陣は3試合で計10イニング無失点。シーズン94勝を支えた中継ぎ陣はCSでも健在だ。CSファイナルステージは本拠地ヤフオクドームで全試合開催。この日もほぼ満員の3万5333人が詰めかけた。岩崎が「ホームで打たれる方が自分が戦犯みたいになるから、ホームの方がビジターよりも投げにくい部分もあるんですよね」と、悩みを明かしたことがある。今季中継ぎに専念し最優秀中継ぎのタイトルを獲得した男でさえ、シーズン中から熱いプレッシャーを感じていた。負ければ王手をかけられるこの日の第3戦は今季一番のプレッシャーがかかったかも知れないが、しっかり仕事をした。

 工藤監督は「とにかくみんなでひとつになって1つの勝ちをもぎ取っていく」と力を込める。強力中継ぎ陣を支えにシーズン13勝の先発バンデンハークで王手をかける。【石橋隆雄】