日本一は福岡で決める。2年ぶり8度目の日本一を目指すソフトバンクが、まさかの連敗を喫した。「SMBC日本シリーズ2017」第5戦は初回に先制。逆転されて迎えた5回には試合をひっくり返したが、6回に再逆転を許してしまった。3勝2敗となり、再び決戦の舞台は明日4日からヤフオクドームとなる。王手をかけてから2試合足踏みしたが、三度目の正直とばかりに地元で頂点に返り咲いてみせる。
ソフトバンク自慢の中継ぎ陣がDeNA打線にのみ込まれた。2点リードの6回、先発バンデンハークが1死一、二塁のピンチをつくると、工藤監督は2番手にモイネロを送り込んだ。だが、筒香に中堅フェンス直撃の適時二塁打、宮崎に中前適時打を許し、同点に追いつかれた。続く代打嶺井は二塁へのゴロに打ち取ったが、二塁手明石がポロリ…。適時失策で勝ち越しを許した。
工藤監督 (失策は)みんな一生懸命やっているんでね。その前に僕の判断が早ければよかった。バンデンが飛ばしていい投球をしていた。球威は落ちていたが、先頭の桑原君が(バンデンに)まったく合っていなかったのでいかせた。
指揮官はバンデンハークを6回も続投させたことを悔やんだ。すでにブルペンではモイネロと森が準備。モイネロは第2戦、第3戦と2試合連続で1イニングを3人斬りと好投していたため、嘉弥真ではなくモイネロを早めに投入し勝負に出たが、実らなかった。
3連勝で王手をかけてから、まさかの連敗。工藤監督は「みんなつないでいたし、なんとかしようとしていた。9回もいい攻撃だった。いいゲームだった」と、最後まで食らいついた姿勢を前向きにとらえた。クライマックス(CS)シリーズから左腕投手に苦しんできた打線は、初対戦の左腕石田から4点を奪った。日本シリーズ第2戦の勝利監督インタビューで、工藤監督は「またここ(福岡)に帰ってくることは決まりました」と発言。第3戦から3連敗しても福岡に帰って来ることができるという思いと、地元福岡のファンに日本一の胴上げの姿を見せたい気持ちが、ちょっぴり不思議なコメントとなっていた。もちろん一気に4連勝で決めるつもりで戦ったが、結果的には地元に戻る巡り合わせとなった。「僕らは7戦どう戦うかを考えている」と話していたように、3勝2敗で本拠地に戻るのは想定内。第6戦は千賀、第7戦は東浜を先発に立てる方向だ。
今日3日に空路で福岡に戻り第6戦に準備する。「今度はうちのアドバンテージの中でやれる。しっかり福岡で決めます」。工藤監督が思い描いた通り、満員の鷹党に囲まれたヤフオクドームで明日4日こそ宙を舞う。【石橋隆雄】