DeNA筒香嘉智外野手(25)が、来季リーグVを誓った。ソフトバンクとの日本シリーズ終戦から一夜明けた5日、福岡発の航空機で横浜に戻った。リーグ3位から下克上での日本一にはあと1歩及ばず、筒香はすべての面でレベルアップをした上で、セ・リーグ制覇を宣言。20年ぶりの優勝へ再び歩み始めた。

 日本一をかけた一戦からまだ7時間足らずしかたっていない早朝、筒香はすでに来季を見据えていた。まだ朝日が昇る前の薄暗い中で「あくまでも目標はリーグ優勝。日本シリーズどうこうよりも、リーグ優勝」と宣言した。勝てば逆王手の日本シリーズ第6戦は、延長11回サヨナラ負けで幕を閉じた。3連敗から2連勝で、パ・リーグ王者ソフトバンクを苦しめた。でも最強のチャレンジャーでは、やはり満足できない。

 クライマックスシリーズ(CS)を戦い抜き、日本シリーズを含め14戦。「もちろんチームは成長していると思いますよ。でもレギュラーシーズン3位。日本シリーズより、そっちが大事」と言い切った。下克上からの頂点ではなく、143試合戦い抜いた末の優勝が、最大の目標。だから「自分は全部の面で、もっともっとうまくなりたい。もっともっとチームに貢献したい。すべてにレベルアップできるようにしたい」と言った。

 20年ぶりリーグ制覇に、ラミレス監督も呼応するように課題を掲げた。「まずはバント。盗塁も減った。修正して向上したい」。84犠打、39盗塁はいずれもリーグ最少。スモールベースボールを掲げながら、実際は打ち勝ってきた。一方では、スタイルを変え小技を駆使したポストシーズンで快進撃を見せ「小さいところで結果が変わってくる」と痛感。そして「レギュラーとバックアップの差。競争できるようにしたい」と選手層を厚くする。

 球団側は、すでに国内FA権の行使を決断している阪神大和の獲得に乗り出す方針を固めている。二塁と遊撃で球界屈指の守備力を持ち、打撃面でも打率2割8分をマークした野手強化に着手した。悲願のリーグ制覇へ、選手、監督、フロントが三位一体となって動きだした。【栗田成芳】