地獄の宮崎キャンプの成果が、早くも出た。巨人は6日、韓国・ハンファと練習試合を実施。いろんな状況下で多くの打席に立たせるために「2番指名打者」で先発出場の小林誠司捕手(28)が、2本の二塁打を含む3打数2安打1打点と高橋監督の期待に応えた。

 連日1000スイング以上を振り込む取り組みが、鋭いスイングを生んだ。1回無死一塁、重信が二盗時の捕逸で三塁まで進んだ直後。最低でも犠飛が欲しい場面で変化球を拾い上げ、左越えの同点二塁打を決めた。同点の5回には先頭打者で二塁打を放ち、決勝の生還を果たした。「(今キャンプでは)中井と野手最年長なので若い子に負けないように。(振り込みは)続けていきたい」と満足せず、喜びは控えめだった。

 今キャンプは主将を務める。猛練習にもつらい顔を見せず、試合中もベンチで元気に声を張り上げ続けた。もう一皮むけそうな兆しを見せた正捕手に、指揮官も「結果が出ないより出た方がいいから。そこは良かったですね」と評価した。

 小林に負けないインパクトを残したのが、途中出場の田中貴だ。5回1死一、三塁では代打で決勝犠飛を放つと、8回に右翼席にソロ本塁打。同じ育成出身で日本一ソフトバンクで扇の要を務める甲斐の活躍を刺激にする25歳は「何回もチャンスはないので、アピールできて良かった。競争にはもちろん負けたくないです」と力を込めた。

 5番で先発マスクの宇佐見も2点適時二塁打と、3捕手が存在感を示した。6勤1休の猛特訓キャンプの第1クール最終日、巨人の若手たちが「新化」の予感を漂わせた。【浜本卓也】